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「映画の中のワイン」
11月の第3木曜日、今年は15日がワインの新酒、ボジョレー・ヌーボーの解禁日。日付変更線の関係で日本が一番早く飲める。ワインの世界の現状は以前、ドキュメンタリー「モンドヴィーノ」で紹介した。今回はヌーボーにちなんで、映画の中でのワインならではの役割を挙げてみよう。
登場回数が圧倒的に多いのはシャンパン。グラスの中を消えては生まれて上昇していく泡。華やかだけれど、はかなくもある。1つだけ挙げるなら「カサブランカ」(1942年、米)か。独軍の侵攻を前にしたパリで、お互い素性を知らないまま恋に落ちたハンフリー・ボガートが、イングリッド・バーグマンに「君の瞳に乾杯!」とささやいてグラスを交わす。白地に斜めの赤のラインが印象的なラベルには、生産者の「栄誉と誇りに満ちたシャンパンでありたい」というメッセージが込められおり、ボガートの独軍への反抗心も映し出した心憎い演出となっている。
1本のワインが運命を変える場合もある。ハイテク企業を舞台にしたパワーゲームを描いた「ディスクロージャー」(94年、米)がそれだ。元恋人で、今や上司のデミ・ムーアに、夜のオフィスで迫られたマイケル・ダグラス。何とか踏みとどまるが、翌朝、出社すると「セクハラされた」という彼女の訴えに直面する。逆セクハラで提訴した裁判で無罪の証拠となるのが、2人が飲んだワインだった。生産量が極めて少なく、彼女が誘惑を事前に考えていた根拠となったのだ。
「肉体の悪魔」(47年、仏)でのジェラール・フィッリプは、年上の恋人と入ったレストランで、年代物のワインを「コルク臭がある」と取り替えさせる。高校生の自分がもう大人だと証明したかったのだ。ワインが生活の一部となっているフランスならではの描写だ。イヴ・モンタン主演の「ギャルソン」(83年・仏)は、客をさばき切る、彼の仕事ぶりが何とも格好いい。
カルフォルニアのワインロードを舞台に中年独身男2人が珍道中を繰り広げる「サイドウェイ」(2004年、米)も興味深い。中年男の焦りや哀愁が、熟成したワインのように程よくブレンドされているのだ。(直)
梅干婆さんの独り言 ・・・・・・・・・・・ 長内 彩乃
小学校三年生の孫は、来るたびにいろいろなゲームをもってくる。そのゲーム上でおばあちゃんの絵をかいてもらうとちゃんと上唇のうえに三本のしわがかきいれてある。サザエさんの漫画でもそうだったな、と感心した。自覚症状はなくとも年をとるとだんだんしわがふえて、梅干状になっていくものらしい。今の子ども達は梅干状などといってもピンとこないであろうが、我々年代のものにとっては実に毎日の必需品であった。梅干で穴のあいた弁当箱は世代共通の記憶である。
日の丸弁当の梅干は防腐剤。そればかりではない、頭が痛いときには額に梅干をはりつけられ、毎日梅肉エキスをなめさせられ、医薬健康食品として家庭の常備品だった。
酸っぱい梅干に口が曲がりそうになってもその有効性は計り知れぬ偉力に違いなかった。してみると、年とともに梅干婆さんになっていくことは極めて名誉なことなのである。そう呟いてみても所詮は独り言。ここは一番自分で梅干婆さんの出番をつくるしかない。年の功で梅干の塩もほどほどに枯れてほどよい健康食つくりに役立ちますぞ!
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