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米国NPO研修から(2)

 「シニアのための市民ネットワーク仙台」の推薦を受けて、9月2日から14日まで、米国デラウェア大学主催の「米国NPO研修」に参加しました。デラウェア州と宮城県が姉妹都市州の関係にある縁で、宮城県内のNPO(民間非営利団体)のリーダーや大学の研究者ら15人が招待されたものです。


スケジュール
資料
(デラウェア大学国際プログラム篠島麻子さん作成)

NPOについて

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 米国のNPOの多くが、高齢者や家庭内暴力の被害に遭っている女性や子供、障害者、少数民族、災害や犯罪の被害者などの、社会的少数者・弱者の権利や利益を守るために活動しています。NPOの使命がこうした社会的少数者・弱者に対する支援・サービスにあることをまず確認したいと思います。

 日本人の感覚で言えば、本来、こうした社会的少数者・弱者らへの支援は公共サービ 
デラウェア大学のキャンパス
スの一環として、政府(行政)がまず責任を持つべきテーマですが、米国においては、政府の公共政策を実際に地域社会で担っているのがNPOであり、NPOの存在なくしては、米国の公共政策は成り立ちません。

 NPOといっても、オフィスを構え、人を雇用し、有料でサービスを提供するのですから、ちょっと見ただけでは、企業活動と何ら変わりません。

 しかし、企業の場合、利潤を追求し、株主に配当する義務があるので、仕事のコストがどうしても高くつきます。その点、NPOは事業活動で得た収入を、株主など特定の個人のものとしてはいけません。実際の仕事の多くを、趣旨に共感する大勢のボランティアが支えるのも、NPOの特色です。

 政府(行政)側から見ると、仕事を企業に頼むよりも、NPOに頼んだ方が安上がりなうえ、NPOがボランティアを通じて、地域社会と密着しているので、よりきめこまかな公共サービスを展開できるメリットがあります。

 米国の政府関係者に話に必ず出てくるのが「女性の参政権や公民権、エイズへの取り組みなど、米国の大きな社会運動はすべてNPOがリードしてきた」という説明です。米国のNPOは、政府(行政)や国民がまだ意識していなかった、さまざまな分野における社会問題に目を向けてきました。被害に遭っている人、悩みを抱えている人の声に耳を傾け、政府、国民に対策の必要性を訴えてきました。

 NPOが米国の公共サービスを先導的に形成してきたこと、公共サービスを実際に担っていること、などが根底にあって、NPOには法人格と税制上の優遇措置が与えられています。

 州によって違いはありますが、NPOには所得税、固定資産税について減免措置がとられています。次にNPOに寄付を行った企業、団体、個人には、原則として寄付した金額に相当する分の所得控除が与えられます。税金で収めるか、自分が共感するNPOに寄付するかを選択できるわけです。

 こうした優遇税制があるため、民間の資金がNPOに集まりやすくなっています。それだけにNPOの仕事の質は厳しく評価されます。特に、政府(行政)からの委託事業をNPOが受ける場合、手続きや事業内容、資金運用、組織運営など、さまざまな面で適正さを要求されます。(運営委員 佐藤和文)

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