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シニアネット仙台 会報へのお誘い(平成14年10月号) なんでもシネマ(11)北欧の光と影フィンランドの監督、アキ・カウリスマキ(1957〜)って知っていますか? 北欧の監督というと、宗教的な命題から女性の内奧までを、「野いちご」「処 女の泉」「沈黙」「秋のソナタ」などで陰影豊かに描いたスウェーデンのイングマール・ベルイマン(1918〜)が知られているぐらい。 じゃあカウリスマキは? 少ないセリフに無表情な登場人物。自らが"負け犬3部作"と名付ける作品もあって、暗い筋立てが多いのだが、最後はそこを突き抜けてしまう。どこか人を喰った作風の監督なのだ。 突然、彼を持ち出したのは、彼の代表作12本をセットにしたDVDを見つけたため。見直して、先行き不透明で不満が鬱積する「今」こそ見るべきではないかと思った。 日本公開時、一部で話題になった「マッチ工場の少女」(90年)。薄給でも てない少女は、ディスコで出会った男と一夜を共にしたことで妊娠、男に振られた上に事故にも遭ってしまう。ついに少女は、男や自分を分かってくれない母親らを猫いらずで殺害する。 筋だけを書くとおどろおどろしいが、実に静かに進行する。むしろ、淡い夢を 壊された少女が悪びれることなく、ささやかな反抗=復讐を実行することに共感すら覚えた。 髪を巨大なリーゼントにしたロックバンドが、アメリカ横断しながらロックに目覚める「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」(89年)は、出演料の大半をピンハネするマネジャーとの"生活闘争"がブラックユーモア的に描かれる。 パリを舞台にしたボヘンミアンたちの恋物語「ラヴィ・ド・ボエーム」(92 年)では愛を貫く弱者の心意気に拍手を送っている。ささやかな復讐に留飲を下げろ−という訳ではない。閉塞状況を笑い飛ばす気持ちだけは失いたくないと思う。そうそうカウリスマキは音楽の使い方が絶妙だ。「ラヴィ…」のラストに流れるのは高英男が歌う「雪の降る町を」。これが胸にしみる。(直) ![]() |
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