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連載「東京日和・見」F
 女と男の居場所をめぐって

写真右が木村民子さん。
1997年、デンマークの高齢者集合
住宅を訪問した際に撮影

 木村民子さん(「高齢社会をよくする女性の会」運営委員)
【NEW】



 私の属する「女性の政治参画をすすめる市民ネットワーク」は9月27日、東京都文京区の女性センターまつりでワークショップを開催した。趣味やお稽古ごとの団体発表でにぎやかなホールの横の、小さな研修室で、硬派のワークショップとしては唯一のものだったが、部屋は超満員となった。タイトルは「女の居場所vs男の居場所」。「女性センターまつり」のメインテーマが「女と男 語ろう希望の21世紀」と打ち出されたので、それに呼応して企画を練ったのだ。

 ゲストスピーカーに毎日新聞編集委員の重川治樹さんを迎えて男の立場でスピーチしていただき、それに対して女の立場で私が反論、問題提起を行った。重川さんは、今年の春刊行された「居場所を取り戻そう、男たち」(東京女性財団)の編著者の一人で、シングルファザーの草分け的存在(?)である。だから重川さんは、男として、また母親業も兼ねた父親として、世の荒波にもまれていらした。現在は親業から解放され、第二の人生を男として模索しているそうだ。男性がこれまでいかに企業人間として社会に取り込まれ、自由を奪われてきたか、またいかに家庭においても帰るべき居場所を失いつつあるか、淡々と話された。

 彼のスピーチを聞くうちに「うーん、男も大変なのね」と私は矛先も鈍りがちだったが、「男は仕事、女は家庭」という性役割意識が日本ではいまだに根強いというデータで反論。無償労働の男の家事時間の少なさももちろん持ち出して、「家庭」と「社会」「地域」での男女の参画形態のアンバランスをついた。

 さて、普通の講演会ならここでQ&Aとなり、しばらくして閉会となるのだが、わが区内には話したくてうずうずしている雄弁家がたくさんいる。ワークショップにしたのは、そのためでもある。第2部として問題提起された内容を受けて、「家庭」と「社会」「地域」の3グループに各自分かれて討論を行った。椅子を並べ変えてまたたく間に、3つの輪ができ、それぞれが声をはりあげて話に熱中。40分余りたったところで、話し合った内容を代表が発表した。「家庭」班は主に専業主婦グループが集まり夫との関係を嘆き、「社会」班は兼業主婦たちが夫教育の成果を誇るという対照的な発表となり、会場は笑いに包まれた。「地域」班には男性の参加もちらほら、男女が共に地域で活動するためには、男はこれまでの権威やメンツを捨てることという手厳しい注文も出た。

 ところで、首相の諮問機関「男女共同参画審議会」は、来年の国会に提出する「男女共同参画基本法」の準備を進めている。去る6月に総理府講堂で、各女性のネットワーク関係者を集め、論点整理を発表した。私も参加したが、まず不満なのはどうして端的に「男女平等基本法」としないのか、ということ。(憲法ではベアテさんの努力により男女平等をうたっている)また、法自体が基本方針や理念を示すものにとどまり、罰則規定がないため実効性に乏しいことも懸念される。でも、こういう動きがあるということは、一つ前進かもしれない。少子・高齢社会には、男も女も従来の枠組みをこえて仲よく生きていったほうが、ずっと楽しいと思う。

 今回のワークショップも相手を攻撃するのでなく、「これからは、一緒にやろうね」というところで合意を見、めでたく幕となった。

木村民子さん略歴
 大学卒業後、出版社編集部(潮文社)勤務。現在、「高齢社会をよくする女性の会」運営委員等。「三井海上ライフデザインラボ」チーフディレクターを務めた。
 著書『私の一歩を始めたい』『女が素敵な子どもの本』
 


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