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連載「東京日和・見」E
 妻と夫の関係は日米共通?

写真右が木村民子さん。
1997年、デンマークの高齢者集合
住宅を訪問した際に撮影

 木村民子さん(「高齢社会をよくする女性の会」運営委員)
【NEW】



 埼玉県の武蔵嵐山のある国立教育婦人会館で、8月4日から6日まで「日米女性フォーラム」が開催された。(財)市川房枝記念会とNY市立大学大学院女性と社会研究センターが共同で主催し、テーマは「女性の政治参画の拡大を目指して」というので、サロン・わいわい・石名坂に講演に呼ばれた興奮も冷めやらぬうちに、またもや家を2泊も空けた。

 夫も北海道に出張中だったので、晩御飯の心配もせずに出かけられたのは、幸いだった。(息子が一人家に居残っていたけれど、この子はご飯がなければ自分で作って食べるので、心配無用)。サロンでも話題になったが、女が食事の支度から解放されれば、かなりいろいろなことができるはず。男女平等とか、自由とかは、生活レベルでみればその程度のことなのに、これがなかなか厄介な問題ではあるのだ。

 ところで、私は10月に文京区の女性海外派遣に選ばれてアメリカに行くことになっており、これは予備知識を得る絶好の機会と参加したのだった。それに、何とか続けている英会話の力を試してみたいという期待も膨らんでいた。が、講演は終始通訳に頼りっ放しで、パーティでの会話も挨拶程度しかできず、このほうは虚しい結果に終わった。

 分科会は「子どもと高齢者の福祉」のテーマに参加、アメリカ側からはミズーリ州議会下院議員のE・マックルランドさんが問題提起者として発言された。総括的福祉改革法というのが1996年に制定され、子どもと高齢者に対する施策が進められているという。この説明を聞くと、アメリカという国は、よいと思うことは立法化しどんどん進めていくことがよく分かる。それに引き換え、わが国では法は取り締まるためにあったり、罰するためにあるような気がする。だから、理念などが書かれたとしても、絵に描いた餅のように形骸化してしまうのだろう。

 最後の全体会で、若い女性から女性議員のご主人たちは妻の政治活動をどのように考えているのかという質問が出た。日本では夫の反対があるために立候補を断念する女性がまだまだ多いため、どのようにそこをクリアしたのか聞きたかったようだ。この質問に対し、ほとんどのアメリカ側の女性議員たちが自分とパートナーの関係を説明し、いかに理解し、支えてくれるかを具体的に話してくれた。ある若い女性議員の夫は彼女が子どもを保育園に迎えにいけない時は、仕事を中断してでも代わりに行ってくれるという。他の議員は夫が料理も子どもの世話もいとわずにやってくれることを当然のことのように話した。「だから、私が遠いアメリカからこのようなフォーラムにも参加できるのです」と彼女は胸をはった。

 彼女たちののろけとも言える発言を次々と聞いているうちに、私は胸がじーんとしてしまった。先の若い女性の質問にもあるような日本の封建的な古い男女関係は、実はアメリカでもこれまで共通の問題であっただろう。それを克服してきたからこそ、彼女たちは異国の女たちの悩みを察し、自分たちの体験を熱っぽく語ってくれたのだ。それが「連帯」というものなのかもしれない。私だけでなく、質問した彼女も涙ぐんでいたのか、そっと目頭を押さえていた。会場のあちらこちらで拍手が巻き起こったのは言うまでもない。


木村民子さん略歴
 大学卒業後、出版社編集部(潮文社)勤務。現在、「高齢社会をよくする女性の会」運営委員等。「三井海上ライフデザインラボ」チーフディレクターを務めた。
 著書『私の一歩を始めたい』『女が素敵な子どもの本』
 


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