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連載「東京日和・見」@

 ベアテ・シロタ・ゴードンさんの「贈り物」

写真右が木村民子さん。
1997年、デンマークの高齢者集合
住宅を訪問した際に撮影


 木村民子さん(「高齢社会をよくする女性の会」運営委員)


 お正月休みにベアテ・シロタ・ゴードンさんのサイン入りの本『1945年のクリスマス』を読み終わったが、昨秋から続いている私の興奮は一層強くなってしまった。

 ベアテさんは終戦直後、GHQ民政局員として日本国憲法の人権条項作成に携わり、「男女平等」を起草した、いわば日本女性の恩人のような方だ。

 そのベアテさんが、昨年度エイボン女性大賞を受賞され、「高齢社会をよくする女性の会」(樋口恵子代表)とエイボンの共催で去る十一月二十一日東京・御茶の水の三井海上本社大ホールで記念講演会が行なわれた。これは樋口さんからのたっての頼みで、ラボの事務局が会場押さえに奔走し、かろうじて実現の運びとなったのである。私は裏方としても、総合司会という大任を仰せ使った身としても、ぜひベアテさんの講演会は成功させたかった。

 当日現れたベアテさんは、白髪のにこやかなアメリカ女性という印象だった。講演は流暢な日本語で通訳なし。先の自伝によるとベアテさんは語学に堪能で六カ国語を話せるという。父親はリストの再来と言われた名ピアニストのユダヤ人で、ナチから逃れ故郷オーストリアから来日した。ベアテさんは少女期の十年間を日本で暮らし、その後留学のため、渡米、日米開戦で日本に残った両親と生き別れとなった。戦中戦後は自活するために、得意な語学力を生かし、さまざまな職業を経験したが、GHQの仕事についたのは日本で両親を探すためだった。そんなベアテさんは日本女性の地位の低さ、悲惨さをよく知っており、泣いて抗議したにも関わらず、非嫡出子の権利の問題は憲法から削除されてしまった。それが戦後五十余年たった今でも禍根を残してしまったとベアテさんは嘆かれた。

 第2部の出演者である福島瑞穂さんは憲法をよりどころに、女性の権利を拡大する裁判闘争を行なっていると言い、赤松良子さんは教育の機会均等により、私は恩恵を蒙ったとベアテさんに謝辞を述べる一方、日本の女性たちもベアテさんの意志を受け継いでがんばっていると報告。その他、樋口恵子、沖藤典子、島森路子、三ツ谷洋子さんらも口々に「私と憲法」を語り、にぎやかに幕を閉じた。

 お帰りになるベアテさんを見送った時、「日本の女性も元気になりましたね。今日の2部のセミナーもおもしろかったです。」と感想をいただき、私はちょっぴり誇らしい気分で、疲れもふっ飛んでしまった。

 さて、その夜、「土井たか子さんを支える会」のパーティに誘われて、私は初対面の土井さんに得意気にベアテさんとお会いしたことをお話ししたら、なんとその日の午前中はベアテ・土井対談だったとか。ベアテ熱にうかされた初日だった。

 福島瑞穂氏 (弁護士)

 赤松良子氏 (文京女子大学教授・元文部大臣)

 樋口恵子氏 (東京家政大学教授)

 沖藤典子氏 (ノンフィクション作家)

 島森路子氏 (「広告批評」編集長)

 三ツ谷洋子氏(スポーツビジネスコンサルタント)

木村民子さん略歴
 大学卒業後、出版社編集部(潮文社)勤務、現在、「三井海上ライフデザインラボ」チーフディレクター 、「高齢社会をよくする女性の会」運営委員、等
 著書『私の一歩を始めたい』『女が素敵な子どもの本』
 


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