シニアネット仙台 デンバーの風
シニアのための市民ネットワーク仙台
Home

メニューマップ画像

デンヴァーの風  その26 グレン・ミラー生誕百年祭 秋山晃通


【日米シニア井戸端会議 関連特集】
 米国コロラド州デンヴァーの秋山晃通さん(73)からエッセー「デンヴァーの風」が届きました。秋山さんは、シニアネット仙台運営しているシニアのための電子メールコミュニケーション「日米シニア井戸端会議」に参加しています。エッセーは不定期で続きます。



 ここ、コロラド州ボウルダー市のコロラド大学付属、ミュージック・リサーチ・センターのグレン・ミラーボールルームに、日本国、熊本県玉名市、玉名女子高校のブラスバンドが訪れました。午後7時半から開演ですが夕立の憂いも吹き飛ばし、7時には、かつての美男子美少女の白人が、ぞろぞろ、よたよたと集まりました。聴衆に青年はちらほら。会場満員。

 私は、コロラドに来てから毎日、米国人に囲まれて暮らしています。GYMに行ったときは米国の女子高生の水着姿を身近に見ていますから、玉名学園の女子が小中学生にみえました。

 これでグレン・ミラーの、あのムードある旋律、音響が演奏できるのだろうかと不安になりました。案内状にはバンドの設立履歴は40年前、以前からアイオワ州など米国には7回も来て演奏しているとか...日本全国のブラスバンド大会コンテストでは日本一。  開演挨拶には、スポンサーの紹介とかミラーの家族も紹介されました。

 今夜の演奏は二部で、前半がクラシカルな三楽章。20分休憩後の後半はグレン・ミラーの曲をメドレーということでした。  不安と期待で、どきどき、はらはらで、まずは、聴衆全員規律で米国国家と君が代の演奏でした。私は「君が代」の旋律が流れる途中で涙が滲みました。かつての軍国少年が、こうして日米親善の場に余生を謳歌できる感謝と月日の流れの速さに感慨は一入でありましたから...

 会場左端の壁には一坪大のパネルにグレンミラーのトロンボーンを抱えた写真が飾ってあります。添付の写真でわかると思います。 演奏は52名の部員で、32歳のハンサムな日本男性指揮者によって見事にこなしました。 マーチバンドですが、糸バスとピアノ、ハープが加えられていました。

 前半が終了したとき聴衆は総立ちになり拍手喝采です。子どもにみえる女の子を忘れさせる演奏でした。後半、本番の曲には、私も前後、左右の聴衆も老いの身を揺らして旋律に酔いました。私は、ハリウッド劇画『グレンミラー物語』を日本で5回、ロサンジェルスで5回観賞していますから、メドレーに、数々の名場面のフィルムが蘇り感無量でした。私も太平洋戦争のときは軍楽隊でトランペットを担当していました。ホルンでは日本でトップの千葉薫氏が部員でした。あの軍国時代でも、彼とトロンボーンの石辻先輩などは、『セントルイスブルース』を合宿の下田海岸で演奏してくれました。昔の貴重な思い出と今が交錯して胸が締め付けられました。終了したとき聴衆は、また総立ち、口笛、ビッグハンドの嵐です。指揮者が退場しても鳴り止みません。アンコールです。最前列の来賓総代らしき方が注文しました。

『ムーンライトセレナード』です。あの、官能の頂点に誘うクラリネットの独奏では、もう 聴衆は酔い痺れました。演奏終了後、米国人数人がロビーで私にまで、畏敬と感謝の眼差しで「有難う」と声をかけてくれました。暗くなっている会場前広場には、杖をついた老人、歩行補助器や酸素吸入器やナース付き添いの老婦人も、にこにこしながら帰宅に向かっていました。 
(続く)
<戻る><Top>
シニアのための市民ネットワーク仙台
仙台市青葉区一番町2ー5ー12 一番町中央ビル8階
Copyright(C) 1996-2000, Sendai Citizens' Network for Seniors
E-mail:info@sendai-senior.org