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デンヴァーの風
その17 クリスマスのころ 秋山晃通
【日米シニア井戸端会議 関連特集】
米国コロラド州デンヴァーの秋山晃通さん(73)からエッセー「デンヴァーの風」が届きました。秋山さんは、シニアネット仙台運営しているシニアのための電子メールコミュニケーション「日米シニア井戸端会議」に参加しています。エッセーは不定期で続きます。 |
南カルフォルニアでの苦楽26年。デンヴァー近郊8ヶ月。27回目の米国型クリスマスを感謝溢れるなかで過ごすことができました。当地も、11月第4木曜日の感謝祭から1月1日の午前0時までは、日本のお盆と歳末と正月を一緒にしたような約1ヶ月間です。
一般住宅の電飾の豪華さは、ロサンジェルス、トーレンスなどと競っても大差ない賑やかさでありますが、朝夕の寒気が厳しいので駐車場では人々の服装は厚手のジャケットが目立ちます。どこの住宅でも公的施設でも常時20〜26℃の暖房が維持されています。12月初旬に、少し咽喉に痛みを感じたので、シニア専門の診療所に行きましたら、車椅子の男女老人が列をなしていました。その受け付け処理を、てきぱきとこなす中年女性は、両腕を露にした夏姿でしたので驚きました。私の日本での冬季診療所体験は、受け付けで震えて待った昔がありますので感慨一入でした。
妻が大病になったとき私は、一人娘に、ひとつの試練を課したことがあります。経済的に困窮していました。クリスマスが来ました。毎年、親子、友人とカードやプレゼント交換が大きな楽しみでしたが、15歳の娘に毎月の小遣い百ドルは、敢えて今年は無理だと告げました。米国生まれの娘は、不足とかハングリーを体験しないで育っていますので、人生を強く生きてゆく術を体験させるには格好の機会と思いました。
彼女は、私と妻(本職指圧師)に、去年の赤いラップをカードの大きさにして、クリスマスのメッセージを認め、プレゼントは手書きの「指圧券」小片紙数枚が、その薄いカードに挟まれていました。現実は、娘の見覚えの指圧など当てにしていませんでしたが、そのアイデアに親バカ丸出しでした。この感激のカードは、アルバムに私の一生の宝として残されています。
月日は流れ、今年は、リタイヤーして娘夫婦の世話になっている私は、彼らに品物でなく「1時間指圧」を私が娘と婿にプレゼントすることになりました。
私の貧乏生活と苦楽を共にした娘は、今、三人の女の子を育てていますが、あのころの夢がさせるのか、小部屋を占有する玩具、人形類、四季を楽しむ豊富な衣装と食事に包まれて暮らしていますが、もう孫までに私のやりかたは無理です。ともあれ、ペチカで温められた部屋で、自分の職業が金銭抜きで生きていることは至福の境地と思います。
ペチカ燃ゆ光ゲにゆるる大時計 晃通
おぼおぼし吾が家族の聖夜かな 晃通 12月25日03 作
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