 |
Home
|
 |
 |
デンヴァーの風 その2 緑の高原に迎えられ 秋山晃通
【日米シニア井戸端会議 関連特集】
米国コロラド州デンヴァーの秋山晃通さん(73)からエッセー「デンヴァーの風」が届きました。秋山さんは、シニアネット仙台運営しているシニアのための電子メールコミュニケーション「日米シニア井戸端会議」に参加しています。エッセーは不定期で続きます。 |
 |
美しい梢は、ときに流れる雲を掃き 紺碧の空に揺れる |
私の部屋のガラス窓は北側で、木製の格子縞模様の観音開きが嵌めてある。それを開かなければ、部屋は暗いから15時間の熟睡が出来た。排泄本能で午前10時に目覚めたが、体全体は大地に吸付けられている感じだ。洗面も簡単に済ます。空腹感は無い。冷水、グラス一杯を一気に飲む。そしてまた寝床に潜る。何時の間にか眠りに落ちて目がさめたら午後1時。すこし空腹を感じ、ハム2枚をトーストパンに挟み、トマト中1個を数枚の輪切りにして食べた。CaffeeにGranulatedsugarとIrishCreamを充分入れた。これはまことに美味い。
その日は、部屋の環境整理だけで、家族の為になることは何もせずに、スナックを摘んだり、送別会お土産の「幻の銘酒」の残りを冷やのまま、ちびちびと飲みながら、幼児TV番組をポカンと孫と共に見たり、ゴロゴロして夕食には、Bud Light小壜を2本ラッパ呑みしながら、掌大のPizzaを2枚食べ、総合ビタミンとニンニクの精製したカプセル2錠を、グラス1杯の清水で胃袋に流し込む。その1時間後には、テキラロックダブルを3杯グイグイと呑み、午後8時頃には、また寝床に潜る。とにかくアルコールが血液に浸透したなと感じると面白いように眠れる。寝れば寝るほどに、体の調子が正常になってゆく感覚を自覚する。睡眠中の夢は、いろいろ在ったようだが、呼び戻せないものばかりだ。
そんな日を数日送らせてもらい、5月1日を迎えた。気分は爽快。心気一転、深呼吸する。スモッグテストとドライブライセンス新規作成は、近代科学技術を駆使して数分で終了。銀行口座開設とSSIへの連絡など、毎日一件づつ落着させる。娘か婿が付き添ってくれるから、すべてがスムースに運ぶ。
第2週目からは、近所の緑地公園(東京ドーム約3倍の広さ)の散歩を独りで夕方、毎日楽しんだ。デンヴァー地区の樹木は春を謳歌している。アスペンの若木(3〜6m)の若葉が微風になびき、小枝の奥にむくどりの仲間、つぐみの仲間が飛び込んで来るが、すぐ忙しそうに、若葉を跳ね除けて飛び出てゆく。
木蓮の仲間、樺の仲間、セコイヤの仲間、松の仲間、アカシヤの仲間など、ヒマラヤ杉もたくさん見る。アメリカ楓の仲間は、淡緑色の若葉。街路の並木と公園の散策路のベンチに、涼を日時計にするのは、楓とアスペンが主流だ。オリーブの若葉は陽と風を受けると、雪片か銀糸で織り込んだ羅(うすもの)を、羽織ったような色をきらきらと反射させる。ニレ、ブナなどの大中の樹も、家々の庭に毅然と立ち、美しい梢は、ときに流れる雲を掃き、紺碧の空に揺れる。新葉の涼しい影は、その家を抱擁する。
それから、若葉からして銀杏色で周囲の淡緑を、より一層引き立てる役を演じている大中の樹も至る所で見る。桜桃の仲間、スモモの仲間や野生リンゴの白い花が可憐で、これまた至る所に植えてある。当家の裏庭には、日本でも見たことのある大手毬の仲間であろう、真っ白な小さな花を拳大にかためて咲かせている。2〜3mの潅木だが繁茂する樹の上半分が、その花で真っ白く覆い尽くされ、もう一ヶ月近くになるが5〜6株が咲き誇っている。その他、私の知らない樹木、潅木も白い小さな花を満開にしている。
ここで見る花は、不思議と白色系がほとんどだ。赤系のものを見ることは少ない。(続く) <戻る><Top>
 |
 |