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なんでもシネマ(66) 映画への熱き想いイラン人のアミール・ナデリ監督が、日本を舞台に日本人俳優を使って、映画への熱い想いを表明した「CUT」は、映画の奥深さ・面白さを実感させる一方で、映画の現状の危うさをも痛感させる。売れない映画監督の秀二(西島秀俊)は、兄がヤクザに多額の借金をしながら、彼を支援していたことを、兄の死後に知る。彼は1,300万円という兄の借金の返済を迫られる。 返す手だてはない。ヤクザ相手の殴られ屋で返済しようとする秀二。組事務所のバーテンダー陽子(常盤貴子)やヒロシ(笹野高史)が陰ながら支えるが、期限最終日、1日で約400万円を稼ぎ出さなければならない秀二は・・。 昨年のベネチア映画祭オリゾンティ部門のオープニングを飾り、10分にわたるスタンディングオベーションで迎えられた作品だ。 ナデリ監督はアッバス・キアロスタミ監督の作品で脚本を担当、西仏ナントの3大陸映画祭では2度グランプリを獲得していて、現在はニューヨークに住む。日本の黒澤明、小津安二郎、溝口健二らを敬愛する監督は、2005年、東京フィルメックスで審査員だった西島と出会ったことで、温めていた構想を具体化させたという。 監督は殴られるシーンを省略せず、1カット、1カットを執ように描く。「7年間待っていた」と言う西島も監督の期待に応える演技だ。最終日の100発を、愛する映画草創期からの100本のタイトルを思い浮かべて耐えるシーンは、映画への本当の愛はここまでやらないと伝えられない、とでもいう凄まじさだ。 「娯楽でありながら芸術である」ことの実現を目指した作品は、娯楽本位だけに傾いた現状への痛烈な”殴り込み”だ。秀二が黒澤、小津らの墓を訪れ、映画の在り方を自問するシーンは印象的だ。東京、大阪では年末17日から公開されているが、目下、東北での公開予定はない。ぜひ東北でも公開してほしい作品だ。 (直) ![]() |
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