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なんでもシネマ(57) ベッソンの娯楽作ハワイ旅行の機内で、仙台での上映を見逃した「パリより愛をこめて」を観た。ラブストーリーぽいタイトルだが、実はサスペンスアクション。リュック・ベッソン原案、ピエール・モレル監督のコンビということで気になっていた作品だ。 このコンビで昨年公開された「96時間」の印象が強かったからだ。旅先のパリで拉致された17歳の娘を、米国の父親(リーアム・ニーソン)が救出するという単純なストリー。元CIAの父親は、救出可能な3日間(96時間)をリミットに東欧の人身売買組織に迫っていく。問答無用で一直線に敵をつぶしていく展開はいささか乱暴なのだが、娘を思う父親の視点で描かれることもあって、感情移入しやすく、リアル感もあって引き込まれた。 では「パリより…」はどうなのか。CIA見習いの在仏米大使館員リースは、本国から派遣された凄腕ワックス(ジョン・トラヴォルタ)に振り回されながらも2人でテロ組織を追い詰めていくが、リースの婚約者も絡んで意外な幕切れに突入する。「サブウェイ123 激突」で地下鉄ハイジャック犯を妙に生き生きと演じていたトラヴォルタが、ここでもやんちゃぶりを発揮していて、観る者をニヤリとさせる。アクションの連続、特にカーチェイスは見所満載でスピード感に圧倒されるものの、「96時間」を貫く父の愛に比べると「パリより…」はテロ組織に現実味が薄い分だけ、絵空事に感じられた。 モレル監督はベッソンが製作した「トランスポーター」(2002年)「TAXI・4」(07年)では撮影を担当している。ベッソンの目指すシンプルでスピード感ある娯楽作の本質を熟知していて、この2作も十分に楽しませる水準に仕上げている。ただベッソンの監督作「ニキータ」(1990年)や「レオン」(94年)でのシリアスかつシンプル、ぜい肉をそぎ落としたつくりに比べると、”甘さ”を感じてしまう。後進育成にシフトしてしまったかのようなベッソンは、このままなのだろうか? (直) ![]() |
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