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なんでもシネマ(48) リアルさの追求欧米以外の作品を対象とする西仏・ナントの「三大陸映画祭」に行ってきた。欧米の商業映画はCGによるリアルさで逆に現実感をなくしている。映画祭ではフィクションとドキュメンタリーという双方の手法を生かしながら、さらに生活騒音も積極的に取り込んでリアルさを追求した作品が目立った。 グランプリの「パーク・ビア」は長年勤め上げた仕事を奪われることで本人も無意識なまま凶暴さを出してしまう初老の男が主人公。フィクションとはいえ、エンリコ・リベロ監督は最優秀男優賞を得たノルベルト・コリアの実生活を基に人物像を膨らませ、執拗な日常描写で人間の心の奥底をえぐり出した。 手法の接近は、出品ドキュメンタリー3作がすべて入賞したことでも明らかだろう。準グランプリの「稟愛(ビンアイ)」(フォン・イェン監督)と若い観客賞の「ある中国の村の一年」(リー・ユファン監督)は中国の作品。ともに透徹した観察眼で切り取りながら人間への温かいまなざしを感じた。 審査員特別賞のアルジェリアの「中国はいまだ遠い」(マルク・ベンスマール監督)は、仏植民地だったアルジェリアの現実を過去と現在を照射して問題点をあぶり出した。 双方の手法を合体させた「パーフェクト・ライフ」(中国、エミリー・タン監督)では女性2人の生き様の対比が鮮烈だった。 じゃあフィクションは押され放しなのか。そうではない。キルギス共和国の「南の海からの歌」は、血筋の違う夫婦2組に反対の髪の色を持つ子どもが誕生するというコミカルな設定で、中央高原の複雑な人種、宗教問題をテーマにしていた。だがマラット・サリュリュ監督は深刻ぶるより楽しめる作品に仕上げてナント市民賞を得た。ブラジルの「ねずみハーブ」(ジュリオ・ブレッサン監督)は、普通ではない関係に落ちていく男と女をミステリアスで官能的に描き魅力的だった。 セリフのために騒音を消すという常識は崩れ、フィクションでも生活騒音があふれていた。例えば車の騒音。都会からの文化的侵略や個人への見えない抑圧をも想起させ、作品をよりリアルにさせていた。(直) ![]() |
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