なんでもシネマ
シニアのための市民ネットワーク仙台
Home

メニューマップ画像

なんでもシネマ(47) 

偉大な普通人、ニューマン


 ダンディで知的ながら、少しタレ目の愛嬌ある表情が忘れられないハリウッドスター、ポール・ニューマンが9月26日亡くなった。肺がんの治療中で83歳だった。

 彼は映画スター、監督として活躍する一方でリベラル派としても知られ、自ら起こした食品会社の利益から約210億円を寄付、カーレサーとしても活躍した。スターの枠に収まらない、公私で優に2人分を生きた”偉大な普通人”だった。

 代表作は数々あるが、新感覚のウエスタン「明日に向って撃て!」(1969年)と、痛快な詐欺師の物語「スティング」(73年)の2つが特に忘れがたい。2作ともジョージ・ロイ・ヒル監督で、ロバート・レッドフォードとの共演だ。「明日に向って」は西部開拓の末期、1890年代に実在した銀行強盗2人(ニューマンとレッドフォード)が西部を追われ、最後は南米ボリビアで撃ち殺される物語。

 ラスト、敵が数百人いるとも知らず、銃に弾を込め直したニューマンが「次はオーストラリアへ行くぞ。英語が通じる」と語りかけ、2人して飛び出す。そのストップモーションに射撃音が重なり、画面はセピアに変わる。ここには青春映画のきらめきがあった。

 「スティング(原題の意味は騙す)」は1939年のシカゴを舞台に2人の詐欺師が、NYの大物ヤクザから50万ドルを騙し取ろうとするもの。監督は、詐欺師が観客に支持されるよう、「明日に向って」で気心の知れているコンビを再登場させたのだ。この起用がまさにドンピシャ。慎重かつ大胆、大物の風格を漂わせるニューマンと、駆け出しのくせに向こう意気が強いレッドフォード。2人の息の合った騙しっぷりは、あっぱれと言うしかない。監督のテンポの良い、スタイリッシュな演出と相まって、息をつかせぬまま、ラストの大どんでん返しへとなだれ込む。

 バックに流れる”とぼけた”味わいの黒人音楽、ラグタイムも魅力いっぱいだ。
(直)
シニアのための市民ネットワーク仙台
仙台市青葉区一番町2ー5ー12 一番町中央ビル8階
Copyright(C) 1996-2000, Sendai Citizens' Network for Seniors
E-mail:info@sendai-senior.org