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なんでもシネマ(46) 宮崎アニメの新作宮崎駿監督の4年ぶりの新作「崖の上のポニョ」を見てきた。アンデルセン童話の「人形姫」をモチーフに、金魚みたいな魚の子、ポニョが海辺の町の崖の上に住む5歳の男の子、宗介と出会い、人間になろうとする、愛と冒険の物語だ。 ポニョは人間と海の女神の間に生まれるが、父親は人間の世界が「汚れている」として、ポニョや妹たちを海の世界に縛り付ける。父親の妨害に遭うポニョは、宗介と再会でき、そして人間になれるのだろうか? 今回の作品はCGに頼らずに全て手書き。監督にとって各シーンは、そこにあるものを写し込むだけのものではなく、描かれる意味があるものを1つ1つ確認していく作業でもあったようだ。省略やデフォルメによるメリハリある画面は、視覚にだけ訴えがちなCGと違い、登場人物の気持ちも映し出す。特にポニョが波のうねりに乗って地上に戻るシーンは出色だ。ポニョの弾ける気持ちがこちらにも伝わってドキドキさせられた。 宮崎アニメについては第4回「宮崎アニメの世界」で、「千と千尋の神隠し」(2001年)に触れながら紹介した。「千と千尋…」は、言葉と行動が必要な世界を見せる(疑似体験させる)ことで、裏打ちのないものが横行する現実世界への厳しいメッセージともなっていた。3年後の「ハウルの動く城」では、呪いで老婆にさせられたソフィと、魔法使いハウルの愛を軸に、「若さ」とは実年齢でなく人生へのかかわり方だ−が描かれた。 「ポニョ」は5歳の子どもの視線でつくったという。宗介は、ポニョはもちろん、母親が働く老人ホームの住人たち、海中の古代生物とも真っすぐに向き合う。宮崎アニメは、意識下の子ども時代の思い出や願望を、監督ならではのキャラクターで表現して楽しませてくれる。だが、それは「生きることに実質が伴わず、"うつろ"が広がる中、子どもたちにさまざまな真情をかき立てようとする」(青井汎著「宮崎アニメの暗号」)かのようだ。宮崎監督の挑戦は続く。 (直) ![]() |
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