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なんでもシネマ(39) スナイパー(狙撃手)銃で遠く離れた人間を狙い撃つ。日常あってはならない世界だが、戦場、テロなどの重大犯罪の現場では、その1発が事態を決定づけることもある。 「ザ・シューター 極大射程」を見た。海兵隊の名狙撃手だったスワガー(マーク・ウォールバーグ)が、国への忠誠心と狙撃手としての自負心を逆手に取られて陰謀に巻き込まれ、殺人者に仕立てあげられる。怒りを内に秘めながら、彼は自分の流儀で復讐する。 監督は「トレーニングデイ」でデンゼル・ワシントンにアカデミー賞をもたらしたアントワン・フークア。本来なら勝負にならない国家規模の陰謀と個人の対決を、シャープな演出で描き、見る者をぐいぐい引き込む。主演のウォールバーグがはまり役だ。狙撃手の精神的内面を表現して、銃を乱射するだけの復讐劇に終わらせていない。 スティーブン・ハンターの原作は、ベトナム戦争後の物語だが、9・11後に移し替えられている。法で裁き切れない主犯たちへの容赦ない銃弾は、憂さを晴らさせてはくれるものの、銃が全てを解決するのか−という虚しさも感じさせる。9・11後の世界観はここにも影を落としている。 狙撃手が主人公で記憶に残るのは「ジャッカルの日」(フレッド・ジンネマン、1973年)「山猫は眠らない」(ルイス・ロッサ、92年)「スターリングラード」(ジャン=ジャック・アノー、2000年)などだろうか。ジャッカルの周到な準備と捜査官の地道な捜査とが生み出す緊迫感は、リメイクの「ジャッカル」(97年)では全く吹き飛んで、大味なものになっていた。「山猫−」は、狙撃手をピッタリと言い当てた邦題が印象的だ。主演のトム・ベレンジャーが狙撃手の非情さと孤独を体現した上に、弾丸になりきった視点など撮影も出色だった。第2、第3作もつくられたが、老けこんだベレンジャーのアクションとともに展開も緊張感がなくなった。「スターリングラード」はソ連とナチスの実在した狙撃手の対決が見どころ。ジュード・ロウとエド・ハリスの駆け引きは暴力的と言うより知的ですらあった。(直) ![]() |
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