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なんでもシネマ(37) 日本映画が復活?2006年の映画興行で、日本映画が1077億5200万円(前年比約32%増)の収入を上げ、21年ぶりに外国映画のシェアを上回った。 日本映画復活と喜びたいところだが、興行収入の内容を見ると、日本映画が大きく伸びたのではなく、ハリウッド作品の不振による”敵失”で得た結果だ。とはいえ417本が制作され、作品増が収入の底上げにつながったことは確かだ。 キネマ旬報恒例の年間ベスト・テン1位は、この欄で紹介済みの「フラガール」(監督・李相日)。日本アカデミー賞で作品・監督賞など4冠に輝いた。以下「ゆれる」(西川美和)「雪に願うこと」(根岸吉太郎)などの順。読者選出でも10位以内の9作品が重なった。アニメを除くと興行的に大きな収益を上げた作品は多くなかったが、それなりの秀作がそろったとも言えるだろう。 「フラガール」は娯楽作として第一級の上、頑張りが夢につながらない今の日本をあぶり出す社会性も備えていた。難病を扱って”プチ感動もの”と言われようと、渡辺謙が原作にほれこんでプロデュース・主演した若年性アルツハイマーと闘う夫婦の「明日の記憶」、記憶が80分しかもたない数学者とシングルマザー母子の交流が軸の「博士の愛した数式」(小泉堯史)は、丁寧な描写で人間の生き方を問い、感動的だった。北海道・帯広の輓馬(ばんば)レースにかかわる人間模様に青年の挫折と再生を重ね合わせた「雪に願うこと」は、早朝の人馬一体となった訓練風景の美しさと合わせて忘れがたい。 個人的には「かもめ食堂」(荻上直子)を推したい。ユーモアを持った大人の女性たちの姿は「ちょっと一休みして、また頑張ろうと、思える」という読者評が言いえて妙。舞台のフィンランドの空気(生活感)もいい。 日本映画の現状は「作品の氾濫(バブル)」とする厳しい指摘もある。デジタル撮影で簡単に作品が作れるようになり、プロとアマの境界が定かでなくなった。日本映画が完全復活するかどうかは、観客が作品をちゃんと評価するかどうかにかかっているようだ。(直) ![]() |
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