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なんでもシネマ(35) 夢のハワイ東北に常夏の楽園ハワイをつくってしまうという、40年前の実話を基にした、上映中の「フラガール」が実に面白い。 炭鉱の町だったいわき市は、石油へのエネルギー転換の中で閉山を余儀なくされる。炭鉱会社は、豊富な湯脈を使い、当時の憧れの地、ハワイをつくってしまおうと考える。常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアン)のことだ。 炭鉱を誇りにする地元の人たちが猛反対する中、東京から招かれたダンス教師(松雪泰子)と地元の娘たち(蒼井優、徳永えりら)はフラダンスを通じて、心の葛藤を乗り越え成長してゆく。 こう書くと、男子高校生のシンクロナイズ奮闘記「ウォーターボーイズ」や女子高校生がジャズバンドに挑戦する「スウィングガールズ」(ともに矢口史靖監督)を思い出すだろう。地道な努力が成功につながる−先が読めてしまうのだが、村上龍原作、宮藤官九郎脚本の「69 sixty nine」でデビューした李相日(リー・サンイル)監督は、最後まで飽きさせない。「感情の部分が丁寧に表現された作品に仕上がった」という松雪の感想が、その出来を象徴している。全員がフラダンスの素人だったが、3カ月の猛特訓後のラストの舞台は圧巻だ。その中でもひと際輝いていた蒼井には今後も注目したい。 「どうして、いわきにハワイ?」の疑問は氷解し、十分に楽しんだ。だが、不満がないわけではない。昭和40年代を知る者としては、「仕事への誇り」や「家族」の姿に、あの時代の空気が希薄なように思えたのだが…。32歳の監督には意識外のことか。 フラダンスは今ブームで、愛好家は50万人にも上るという。フラの動きは「波」「あなた」「太陽」などの意味を持ち、一種の手話になるという。そんな部分をちゃんと生かした心憎い演出も印象深かった。(直) ![]() |
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