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なんでもシネマ(34)

宇宙への夢


 太陽系の冥王星が8月24日、国際天文学連合の決定で惑星から除外された。宇宙がちょっと狭くなったように感じて寂しかった。「宇宙」とは、それだけで人間の夢をかき立てる響きがある。

 劇映画の始まりがJ・メリエスの「月世界旅行」(1902年、仏)だったことは偶然ではない。顔が描かれた月に大砲で打ち上げられたロケットが突き刺さる光景に始まり、月住人との攻防から無事帰還までの16分間は、宇宙への夢をかきたてたはずだ。

 以後、宇宙にかかわる映画は数々つくられる。S・スピルバーグの「未知との遭遇」(77年)や「E.T.」(82年)は宇宙人との幸福な共存だった。それがT・バートンの「マーズ・アタック」(96年)だと”毒”がたっぷりだ。思い込みと利害絡みで「友好の使者」と思い込もうとする人間。オールスターキャストが異星人に”湯水にごとく”殺されるさまはもう笑うしかない。R・ゼメキス「コンタクト」(97年)は、異星人の存在で科学と宗教の問題にも踏み込み、人間の存在の不可思議さについても考えさせた。

 最新科学を盛り込んだものにはS・キューブリック「2001年宇宙の旅」(68年)やR・ハワード「アポロ13」(95年)がある。「2001年」は類人猿の進化を想起させる場面が一転、「美しき青きドナウ」のメロディーにのって巨大な宇宙ステーションが回転する光景は今も目に鮮やかだ。人間はどこから来てどこへ行くのか−。この謎が、今も作品を新鮮にしている。

 「アポロ」は完璧なCGが見る者に宇宙を実感させたが、実話ゆえに抑えた演出が面白さを奪った。その点、C・イーストウッドが主演もした「スペース・カウボーイ」(2000年)は、設定に無理があっても老パイロット4人の頑張りぶりに頬が緩む。

 J・ジョンスン「遠い空の向こう」には宇宙は登場しないが、NASAロケット技術者の青春時代を、宇宙への夢と友情、親子の葛藤などを素直に描いて心に残る。(直)
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