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なんでもシネマ(27) 紫煙が消える世界有数の映画生産地「ボリウッド」を抱えるインドで、今年10月から映画やテレビ連続ドラマの喫煙シーンを禁止するという。「青少年の喫煙を助長する」というのが主な理由。既にロシアやタイなどでも、映画やテレビでの喫煙シーンを制限しており、画面上の”禁煙”はさらに拡大しそうな勢いだ。映画関係者は「ばかげた規則で、全面的な禁止は行き過ぎた冗談」などと反発、表現の自由をめぐって議論は続きそうだ。 「健康に害」の声には抗しがたく、最近は画面から紫煙が消えているのも事実。昨年公開のトム・ハンクス主演「ターミナル」では主要人物はたばこを手にせず、マット・デイモン主演「ボーン・スプレマシー」でも悪役だけが苦い味をかみしめていた。 たばこは映画を盛り上げる要素だったのに…余りにも味気ない。「マルタの鷹」(1941年)「三つ数えろ」(46年)などで探偵役の一つの典型を作り上げたハンフリー・ボガートも、たばこが無かったら形無しだ。西部劇、ギャング映画でも、至る所で紫煙が漂っていた。 チャップリン遺作のラブコメディー「伯爵夫人」(67年)では、船酔いしかかったマーロン・ブランドとソフィア・ローレンが、知人の吸った葉巻が入った灰皿でむせそうになっては、押しつけ合うコミカルなシーンが印象的だった。 比較的最近では「スモーク」(95年、ウェイン・ワン監督)が出色だ。ニューヨーク・ブルックリンの煙草屋を舞台に、店主(ハーヴェイ・カイテル)と客らの日常を、過去と現在、嘘と本当を交錯させながら描いたもの。絶えず流れる紫煙が、記憶のはかなさ、人生のほろ苦さを象徴するかのようだ。小説家役ウィリアム・ハートの演技がまたいい。 嘘八百の広告に嫌気したコピーライターが「満足しながら死ねるうまいたばこ」などの本音のコピーを作り、消費者に大受け−という「クレイジー・ピープル」(90年)もあった。煙は消え去るだけ−では寂しすぎる。(直) ![]() |
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