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なんでもシネマ(18) 「戦争の虚しさ」自衛隊がイラク派遣される。復興支援の建前は、戦闘に直面することで壊れる可能性だってある。もう「戦争を知らない(戦争に無関係な)日本」でいることはできない。 第一次世界大戦下のフランスの小さな村。ドイツ兵は村ごと英国兵を爆破させようと爆薬を仕掛けて撤退する。村に入った英国兵の1人は、精神病院を逃げ出して住み着いた患者たちと出会う。戦争を意識しないで生きている患者らに共感した彼は、服を脱ぎ捨てて仲間入りをする。フィリップ・ド・ブロカ監督の「まぼろしの市街戦」(1967年・仏英)は、どちらが正気でどちらが狂気なのかを、ファンタジー仕立てで静かに問う。 「シンドラーのリスト」のリアルさ、「フルメタルジャケット」での軍の愚劣さ、「ブリキの太鼓」での成長を止めた子どもの視点−など、正攻法で「戦争の虚しさ」突いた秀作は多いが、コメディという手法もある。 ロベルト・ベニーニ監督の「ライフ・イズ・ビューティフル」(98年・伊)は、その代表作だろう。ナチス強制収容所を"おとぎの国"に変えさせる父の愛(嘘)には、笑わされ、そして泣いてしまう。 ボスニア紛争で、ボスニアとセルビアの中間点に取り残された敵対する2人の兵士を描いた「ノー・マンズ・ランド」(2001年・仏伊スロベニア)。取り囲む国連やマスコミが騒ぎ立てても状況は好転しない。ハラハラドキドキは笑えるけれど、後味は苦い。 「鬼が来た!」(2000年、中国)は第二次世界大戦末期の中国が舞台。日本兵をかくまうはめになった村人の困惑ぶりを描く。心を通わせるようになっていた日本兵が救出後、命令されると村人を惨殺していくラストは衝撃的だ。戦争では「好い奴」も「鬼」もない。チアン・ウェン監督が描く仮借のない日本人像は、戦争は他人事と思いがちな我々の心をザワつかせた。幕末の争乱を、漂着黒人から習ったジャズでやり過ごしてしまう岡本喜八監督の「ジャズ大名」(86年)は痛快だが、心を刺すトゲはない。 (直) ![]() |
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