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なんでもシネマ(17) ドキュメンタリーの世界山形国際ドキュメンタリー映画祭が10月10−16日、山形市内で開かれ、世界中から応募の1,454本から厳選された177本が上映された。9時間の超長編があれば、その対極には5分の短編。アラン・ベルガラ審査委員長は講評の中で、 受賞作は共通して「現実と向き合い、どう生きるのか」の示唆に富んでいたと 指摘した。 ドキュメンタリー映画は事実をありのままに伝える記録映画だと思われている。授業で見た伝統芸能などの文化映画、ある年代にとっては成田闘争などの思想的背景を持ったもの−などを連想するだろうが、もっと広い。 映像は切り取った瞬間から作為がある。事実を撮っていても「ありのまま」ではありえない。逆に切り取った映像を脚色、演出することで初めて、見えてくる真実もある。こうした表現の全体がドキュメンタリーだ。 9月8日に101歳で亡くなったレニ・リーフェンシュタールを知っているだ ろうか。ヒトラーに認められて撮った、ナチス党大会映画「意志の勝利」やベルリン五輪記録「民族の祭典」「美の祭典」は、今でも異様な魅力を発散する。ランナーの脚部と道に映る人影に心臓の鼓動が重なる。この光景でマラソンランナーの孤独を浮き彫りにした。不協和音の要素を全面排除し、感覚的な 美だけを抽出した彼女の画面は、見る者を陶酔させた。 その彼女は戦後、ナチス加担の道義的罪で糾弾されたが、「私は政治には無関心で、真実だけを撮った」と反論し続けた。レイ・ミュラー監督の長編インタビュー映画「レニ」(1993年)は刺激的だ。彼女の作品映像をじっくり引用することで、彼女の言葉とは裏腹に彼女の映像が持っていた力の大きさを見せつけた。現実を突きつけ、意識に痛みを感じさせるのがドキュメンタリーだろう。 米国の銃社会をえぐった「ボウリング・フォー・コロンバイン」や鳥の目線で描かれた「WATARIDORI」を入り口に、ドキュメンタリーの世界をのぞきません?(直) ![]() |
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