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なんでもシネマ(16) 冒険映画の今昔6万年ぶりに火星が大接近したこともあって、夜空を見上げた人も多かったろう。やっぱり火星には人類は住めないのだろうか。そういえば月面着陸が宇宙への冒険心をかき立てたのは、いつ頃だったろうか。今や地球上や宇宙で未知の部分が少なくなるにつれ、冒険とは縁遠くなってきた。1950年代までなら、身近な川や神社の境内だって冒険の入り口になり得たのだが…。 こんなことを思ったのは、上映中の「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」を見たから。ディズニーが約166億円をかけた「パイレーツ…」は、カリブ海を舞台に、黄金のメダルを巡って、呪われた海賊たち、誘拐された総督の娘、一匹狼の海賊と手を組んで救出に向かう娘を恋する青年らが入り乱れる冒険活劇。ジョニー・デップ演じる一匹狼の狡猾だが憎めない人間像や、CGを駆使した呪われた海賊たちの月光下でのガイコツへの変身など、見どころは少なくないのだが、それほどワクワクしない。 どうしてなのだろう。ディズニーは50年代にロバート・R・スティーヴンソン原作の「宝島」やジュール・ヴェルヌの「海底2万マイル」製作している。演技は大げさでセットはCGのリアルさには及びもつかないが、今見ても、自分が登場人物の1人になったような興奮を覚える。少年の成長ぶりがしっかりと描かれていて同化しやすいのだ。 アニメと実写を合成したチェコのカレル・ゼーマン監督の「盗まれた飛行船」(66年)には、もっと心躍らされる。大人の世界のずるさは実写で、少年たちの冒険心が現実の世界の枠を超えてどんどん広がっていくさまはアニメ、と描き分けられている。画面に制約されない自由な夢想ができるのだ。 製作者や俳優たちが冒険心を失っていなかったのだろうか。少年の心を失ったのが大人−だというのなら、冒険映画に感動しなくなったのは、見る側の問題かも。古い作品にワクワクしている僕は「旧少年」? (直) ![]() |
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