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なんでもシネマ(12)

CGと実写


 今年は雪のお正月になりそう。スキーやスノーボードをやる人はいいが、寒がりの人はどうすればいいの。こんな時は映画ですよ。 じゃあ正月映画の話題作はといえば…。大人気のファンタジー「ハリー・ポッターと秘密の部屋」は、第1作以上にスピード感あふれる展開と謎解きの味付けは大人にも楽しめる。スピルバーグ監督にトム・クルーズ主演という強力コンビの「マイノリティ・リポート」は、予知能力者によって犯罪を未然に防ぐ未来社会で、その責任者が陰謀に巻き込まれて部下に追われるSFサスペンス。父親を殺された少年が時を経て復讐する「ギャング・オブ・ニューヨーク」はディカプリオが主演。アジアで一番元気な韓国映画では学園武侠劇の「火山高」というのもある。

 相変わらずハリウッドの話題作が中心で、CG(コンピューターグラフィックス)の多用が目立つ。「ハリー・ポッター」「マイノリティ」はもちろん、「火山高」でもCGが大活躍。以前の特殊撮影はほほえましくさえあったが、CGが描く世界は「全てが本物」というように観客に迫る。最初は新鮮だが、イメージが固定され、想像の広がりを自ら閉ざしてしまうこともあるのではないか。

 この冬も、西フランスの古都ナントで開かれた「三大陸映画祭」をのぞいてきた。映画後進地のアジア・中南米・アフリカの作品ばかりを紹介する。資金難もあってだろうか、実写の作品ばかり。

 今年グランプリに輝いたキルギスの「仲間たちのシルクロード」(マラ・サリュリュ監督)は一種のファンタジー。かつてはシルクロードが通ったステップ地帯に今は鉄道が走る。地元の子どもたちは鉄道に雄飛の夢を重ねる。列車から落とされた絵描きと出会った子どもの1人は、一緒に旅立つことを決心。他の子どもたちは家路につくが、心の中は現実を離れ、夢が行き交ったシルクロードへと収斂(しゅうれん)されていく。俯瞰(ふかん)やあおりでとらえた映像が、子どもや絵描きの心の揺れを描き出して新鮮だった。またモノクロが逆に多彩な色彩を連想させた。これこそが映画ではないのだろうか。(直)


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