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なんでもシネマ(7)

アメリに元気をもらおう!


 フランスで昨年公開されるや大ヒットし、日本でも好評の「アメリ」(ジャン =ピエール・ジュネ監督)は、美人でもなく、凛々(りり)しくもなく、華奢 (きゃしゃ)で愛らしいアメリ(オドレイ・トトゥ)が、幸せづくりのお節介を やいているうちに、自分も恋人に巡り会う物語。

 ジャンルで分類すれば恋愛喜劇とでも言えばいいのか、ちょっと困るのだが、 見ているとだんだん元気になるから不思議だ。日々に追われて疲れ、クヨクヨ、 イジイジしていた気分が、見終わった後では嘘のように消えている。

 アメリは神経質な母親と、冷淡な父親の間に生まれて愛された実感を持たな い。だから、22歳になっても夢見がちで、心がふさぐと運河で水切りをし、果 物を優しく扱う店員の手つきに見ほれたりといった、小さな感動で自分に満足し ていた。

 そんな彼女だったが、アパートの壁から発見した宝箱を、こっそり持ち主(今 は中年男)に返してやったことを契機に、”他人を幸福にする幸せ”に目覚め る。酒浸りの管理人のマダムを幸せにする手紙を書いたり、店員に代わって意地 悪い八百屋の親父に奇妙な復讐をしてみたり。

 そんな中で不思議な青年ニノ(マチュー・カソヴィッツ)に出会って恋をして しまったアメリ。成就させるためには、空想の世界から現実の世界へと一歩踏み 出さなければならない・・・。

 ジュネ監督は「デリカテッセン」(1991年)「ロスト・チルドレン」(1 995年)の2作を、斬新な映像とブラックなユーモアで描き話題になったが、 どちらもレトロな感覚に満ちていた。現代そのままを描いた「アメリ」にも、ど こかに懐かしさが漂う。アメリの悪戯に、こちらも悪戯小僧になったようで気持 ちが躍った。そして一本気ゆえに自分を追い込んでいくアメリに共感し、その苦 しみと成長が自分そのものに思えてしまう。そのことが”元気の素”なのかもし れない。

 「観客を幸せな気分に」と願って作ったという監督にまんまと乗せられた格好 だが、素直に「ありがとう」と言いたくなる。

 アコーディオン奏者ヤン・ティルセン(30)による音楽も軽妙で優しく、ジ ュネ監督がわざわざデジタル技術を駆使して染め変えた色彩ととともに大人を迷 い込ませるおとぎの世界なっていた。MOVIX仙台で上映中だし、サウンドト ラックはCDが出ている。アメリに元気をもらおう。(直)


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