なんでもシネマ
シニアのための市民ネットワーク仙台
Home

メニューマップ画像

なんでもシネマ(1)

星が伝えるもの


 「映画は人間勉強の連続」と、どんな映画にも愛情を注いだのは淀川長治さん だ。僕はそこまで映画に愛情深くないけれど、映画は大好きだ。違う世界の違う 存在になりきって時間を忘れさせてくれる映画について少し話してみよう。
     ◇
 空気が澄んで、星が輝いて見えるこの季節になると、星のたたずまいを録音し て伝えようとした若者の姿を思い出してしまう。

 星を録音? ありえないと思わないでほしい。マイケル・ラドフォード監督の 「イル・ポスティーノ」で、主人公マリオは、それをやってしまう。

 1950年代のナポリの小島が舞台。政治亡命している国際的詩人(フィリッ プ・ノワレ)に郵便を配達する島の若者マリオ(マッシモ・トロイージ)は、詩 人との交流で次第に言葉の美しさに魅せられていく。

 詩人のチリ帰国後、マリオは、島の思い出を録音して送ろうとする。海や風の 音、そして星さえも。そこには音にならない言葉、マリオの気持ちが託されてい た。懸命に音を拾おうとするマリオの姿が目の前に浮かぶ。だが、録音は彼の死 後にしか、詩人に伝わらなかった。

 心臓病をおしてマリオ役を演じたトロイージが、完成直後に41歳で亡くなっ たことも、忘れ難くさせる一因になっている。

 それにしても人間にとっての言葉とは? 言葉は人の心をとらえる。だが、同 じ言葉でも伝わらないことがある。きっと気持ちの裏付けがないからだろう。ど こかの首相が口にする言葉は、どちらなのだろうか。(直)
シニアのための市民ネットワーク仙台
仙台市青葉区一番町2ー5ー12 一番町中央ビル8階
Copyright(C) 1996-2000, Sendai Citizens' Network for Seniors
E-mail:info@sendai-senior.org